風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

#小説

『野良犬の値段』 百田尚樹

誘拐された6人のホームレスの身代金を要求された企業と裏に隠された動機日本社会に問われる本音と正義。 それぞれの秘めた滑稽な正義思想ではなく、部数で語る新聞報道経営者だったり自分のパフォーマンスに偏った議員だったり批判しかしない元芸能人議員へ…

『琥珀の夏』 辻村深月

弁護士の法子は嘗てミライの学校の夏合宿に参加した。そのミライの学校の敷地から発見された白骨死体。ミライの学校で友達と言ってくれる少女と夏合宿の思い出が蘇る。真相とは・・。無数の出会いの中で何かを選択しその積み重ねで創られる人生と言うもの夏…

『推し、燃ゆ』 宇佐見りん

「やめるときも健やかなるときも推しを推す」あかりそんな日々、「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。」炎上する推しにあかりの人生は・・。第164回芥川賞受賞作誰もが何かを情熱を傾け生きてると思うのですが推す存在が全てのあかり日々ちょっと違うのは…

『ふちなしのかがみ』 辻村深月

「踊り場の花子」、「ブランコをこぐ足」、「おとうさん、したいがあるよ」「ふちなしのかがみ」、「八月の天変地異」の5編が収録されたホラー短編集。学校の怪談と言えばトイレの花子さんこれも辻村深月さんにかかれば「踊り場の花子」は見事なミステリーの…

『みとりねこ』 有川ひろ

猫と暮らす日々、思い出が溢れる7編の物語。「ハチジカン」、「こぼれたび」、「猫の島」、「トムめ」「シュレーディンガーの猫」、「粉飾決算」、「みとりねこ」収録。タイトルに惹かれて読んだんですが猫が登場するだけでもテンション上がる猫好きには心を…

2021年 読書アワード!

昨日は映画アワードでしたが今日は2021年の読書総決算、アワード。今年読んだ51冊から勝手にアワードさて、最初はー。 ベストドキュメンタリー賞:『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』 堀川惠子戦争遂行にあって大事な物流の輸送は現代へ繋がる歴史に…

『幸福な結末』  辻仁成

角膜移植で光を取り戻したヴァレリーアジア系の幻を見るようになる嘗て見つめていた人物なのだろうか?人を愛するとは何なのか?どんな残酷な事であっても全てを受け入れることが愛なのだろうか?人生で偽ることの出来ない愛の核心。その答えは人を幸福にする…

『何もかも憂鬱な夜に』 中村文則

施設で育った刑務官の主人公が二人を刺殺した未決囚・山井を担当する。そこで語る自分の人生と命の向かう先とは・・。生きる意味に虚ろな日々死を考えるような遣る瀬無さ先日も二人を殺害し放火したかも知れない容疑者が逮捕されてましたよね特別じゃなく霧…

『82年生まれ、キム・ジヨン』 チョ・ナムジュ

キム・ジヨンの人生に立ちはだかる見えない壁女性ならではの困難と差別とは・・。韓国で100万部突破し社会現象を巻き起こしたした小説。女性が社会に主張するようになったと思ってる自分には衝撃的。確かに序列を重んじる価値観の中で見えない壁ってあるのは…

『砂の女』 安部公房

昆虫採集に向かうも囲まれた奇妙な家に閉じ込められ脱出を試みもがく日々の先にあるものは・・。20数ヶ国語に翻訳。読売文学賞受賞作。押し寄せる大量の砂リアルで息苦しくなるような空間読書の醍醐味と言いますか異空間に確りと引き込まれました。読書後、…

『自転車少年記―あの風の中へ』 竹内真

初めて漕いだ自転車の感動の日から仲間と共に漕いだ道のりは人の親となっても暮らしと共に語る自転車乗り物語。読んでてコロ無しに初めて乗った自転車のあの気持ちが蘇る。そう言えば自分もまさに小学生の頃、橋を超えただけでどこか誇らしい気持ちになった…

『JR上野駅公園口』 柳美里

1964年東京オリンピック前年に出稼ぎで上野に降り立つ日本の経済成長と故郷と家族を失いホームレスとなった男彼の生涯を通して、見えて来る世界とは・・。全米図書賞(National Book Award 翻訳文学部門)を受賞作品右肩上がりの高度経済成長を支えた金の卵…

『犬がいた季節』  伊吹有喜

学校で飼うこととなった一匹の迷い犬のコウシロウを世話し卒業生する面々と当時の流行りやニュースこの場所に流れた時間を胸に共に生きる。連作短編。この時期に多くのことに悩みその悩みぬいた先にある決断や残された想いを胸に生きて行くんですよね何だか…

『ジャイロスコープ』 伊坂幸太郎

伊坂幸太郎さんのデビュー十五年目のとなる七つの短編。「浜田青年ホントスカ」は蝦蟇倉市のスーパー駐車場にある相談屋の話。「ギア」は走るワゴンの車内。セミンゴの話。「二月下旬から三月上旬」は高齢者を騙す友人・坂本ジョンと申年の話。「if」は後悔…

『逆ソクラテス』 伊坂幸太郎

厳しい現実にもめげず現実を乗り越え展開が展開を生む後の人生「逆ソクラテス」「スロウではない」「アンスポーツマンライク」「非オプティマス」「逆ワシントン」短編全5編。思い込みを変える為にクラスメイトと共に突き進む「逆ソクラテス」だったり運動音…

『Red』  島本理生

映画を先に観たんですが『Red』https://gotoblueseabicycle.hatenablog.com/entry/2021/05/06/071726原作はどうなのだろうか?と読んで衝撃!原作圧倒的に面白く何たってストーリーが違うってどういうこと!?多少のストーリー違いはよくありますが結末が違…

『イノセント・ツーリング』 湊ナオ

今は亡き友と学生時代に走った紀伊半島のツーリング大学時代の親友の夫とその息子と再び走ることになる。若くして命を落とした親友との約束とは・・。学生時代に走った道のりを辿り薄れてた記憶が蘇るあの時のすれ違った想いが時を経て通じ合うっていいね。…

『流浪の月』 凪良 ゆう

真実と事実の乖離から時を経て出会う二人二人への逆風の中どう生きるのか・・。2020年本屋大賞受賞作品心からの想いを伝えられないもどかしさお互い想いと裏腹な人生の巡り合わせの悲劇の数々。悲劇の渦の中で巻き込まれる関係する人々他者の行為が良かれと…

『つぼみ』 宮下奈都

活け花教室で花と向き合う公麻子の妹・紗英、叔母・和歌子、父の元恋人・美奈子三編。ふらふらしている。不器用な弟と振り回される姉。手を挙げて/あのひとの娘/まだまだ晴れた日に生まれたこども/なつかしいひと/ヒロミの旦那のやさおとこ6編を収録ど…

『朽ちないサクラ』  柚月 裕子

米崎県警平井中央署生活安全課が被害届の受理を引き延ばしストーカー殺人を未然に防げなかった失態の裏には何があるのか?親友の信じてと言葉を残し千佳は殺される・・。真実とは何なのか?警察組織、情報漏洩やカルト教団、ストーカー、公安警察と・・組織…

『夕焼けポスト』 ドリアン助川

悩みの寄せる不思議なポストの管理人となって返事の手紙を書き続ける主人公も心の傷の癒えない日々に悩む・・・。悔やんでも悔やみ切れない悩み、迷いの渦の中で祈ることしか出来ない中人は何を糧に生きるのか心に迫る印象的な場面を思いだす。夕焼けの話が…

『少年と犬』 馳 星周

多聞という名前の犬と出会う和正。出会ってから守り神のような存在となるも危うい日々。何故かいつも多聞は南の方角に顔を向けていた・・。第163回 直木賞受賞作犬と人の関係って多くの物語がありますが親密で特別な何かをお互い感じるのでしょうね。人に限…

『暴虎の牙』 柚月裕子

「孤狼の血」シリーズ第三弾。時代は戻って、広島のマル暴刑事・大上章吾の駆け出し頃から始まる。愚連隊「呉寅会」の沖虎彦と暴走族グループに暴力団との関係。大上と部下となる日岡はどう戦うのか!?映画化された一作目『孤狼の血』 柚月裕子https://goto…

『邦人奪還: 自衛隊特殊部隊が動くとき』 伊藤祐靖

北朝鮮でクーデター勃発し、日本国は拉致被害者を救出作戦を実施作戦と政治、国家間の駆け引きも・・元自衛隊特殊部隊員が描くリアリティ小説。アクションのみならず政治的な動きや他国の動き上官や下士官、陸自や海自の動きや装備に加え、隊員の真理や生き…

『夜汐』 東山 彰良

蓮八は八穂を救うため、やくざの賭場から大金をせしめた。殺し屋・夜汐に追われ。新選組の一員となり、身を隠す蓮八蓮八は、組から脱走し新選組からも追われることに・・。命の運びことを運命と言うならば流転の運命は神秘的であるし必死に生きた証がそこに…

『猫を棄てる 父親について語るとき』 村上 春樹 (著), 高 妍 (イラスト)

「僕は父親と一緒に猫を海岸に棄てに行った・・。」村上春樹が父のことを語る短編とイラスト。誰しもが唯一無二な存在でこの世に存在するってことはそれぞれがそれに至る物語があるもの村上春樹さんの語る父との思い出決して古き良きって感じではありません…

『ピンクとグレー』 加藤シゲアキ

同じマンションに住む幼馴染、大貴と真吾は青春を共に過ごしてきた。ひょんなことから芸能界で活躍しスターになる真吾とバイトと小さな仕事の日々大貴は決裂し、再会するも・・。青春って時に残酷でありながらも優しいくもあるもので淡く曖昧なもの色はまさ…

『BUTTER』 柚木 麻子

男性3人を殺害した容疑者・梶井真奈子は拘留中。世間を騒がせた女を追う週刊誌記者の里佳は取材を重ねるうち日常が変わってゆく実際にあった木嶋佳苗事件をモチーフに描く。事件当初から不思議な人間関係や虜にする秘密や謎それを取り巻く被害者や取材する人…

『ナラタージュ』 島本 理生

大学生の泉は母校の演劇部顧問で長い間、思いを寄せて忘れる事のなかった葉山先生から電話がかかってきた。葉山にも想いがあることを知り泉は・・。恋愛中のあの感覚を文字とストーリーで表現するのがホント巧い教師との淡い経験もない私でも深く世界に導か…

『騙し絵の牙』  塩田武士

出版社大手の雑誌「トリニティ」の編集長速水輝也。大物作家の起用や映像化、存続の為企業タイアップと手を尽くす・・大泉洋をモデルとして書かれた作品。速水=大泉ってイメージで最初っから読んでしまってセリフが大泉さんのキャラクターと被るしこの斜陽な…