風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『犯罪小説集』 吉田 修一

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日々のニュースに留まることなく流れる事件
どこかで聞いたことのあるようなニュースの背景や人を描く
五つの犯罪にまつわる小説が収録された短編集。

対岸の火事ようなどこか向こうの世界がリアルに迫り
避けがたい流れを巧みに小説にする姿は流石の吉田修一作品

罪へ至る胸に迫る流れは
自分ももしかして同じ環境であるならば
同じように転落したかも知れない恐怖
または被害者になるかも知れない恐怖

犯罪の特異性が日常と繋がってしまう恐怖は鬼気と迫る。

足を踏み出してない自分に安堵する自分。

特別じゃない事件はこの社会に誰にでも起こりうるってことですね。

人間戒めをもって生きないと・・。
人って罪深いく弱いものですね。