風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『人間』  又吉直樹

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永山はメールを切っ掛けに若かりし頃「ハウス」と言われる共同住居で
ともに創作し芸術を志す若者と暮らした日々が甦る。
そこでの生活と今では・・。

登場人物全てにメディアで語る又吉さん自身の話とダブったり
太宰の「人間失格」の話が出て来るのですが
これまた太宰とも被り「人間」も「人間失格」のオマージュのように感じます。

こんな登場人物が語り議論する中で

嵌ったツボが

「・・そんなことがわかってきてんけど、でも最初に受けた痛みは薄まることがなく
 鮮烈に残ってんねん。消えたふりしても、自分のすべての行動に影響を及ぼしてる」

って一文が心に刺さったなぁ

何でもない部分で語られる言葉
過ぎ去った過去が実は立ち切れないく
今と地続きの日々であると私も最近も考えてて
読んでてグッと来ました。


忘れようとしても忘れられないこと
浅い傷で癒えたち思ってても
心に深く刻まれた傷跡ってあるんですよね。

不合理な割り切れなさや遣る瀬無さが
繋がって人は人であり、それが人間なんだろうな。