風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『JR上野駅公園口』 柳美里

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1964年東京オリンピック前年に出稼ぎで上野に降り立つ
日本の経済成長と故郷と家族を失いホームレスとなった男
彼の生涯を通して、見えて来る世界とは・・。
全米図書賞(National Book Award 翻訳文学部門)を受賞作品


右肩上がりの高度経済成長を支えた金の卵と言われた世代が
現代日本の繁栄の象徴とも言える1964年の東京オリンピック

それからの日本と同じくして
繁栄あれば思わぬ不況や事故

神の存在を疑いたくもなるような
不遇の時代って誰しもがあるものですが

誰しもがそんな不遇な存在や事実から目を反らし
心を偽り、明日の我が身だけを案じつつ
心を過る虚しさを悔いる。

そんな我が身もですが
自分以外の人々にも当然ながら事情があり今に繋がる日々を生きてる。

そこに耳を澄まし目を反らさず見つめることで
実は自分自身の人生の真実が浮き彫りになる。

心の影が照らされることで
真に寄り添える闇ってあるものだと気付く。