風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『砂の女』 安部公房

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昆虫採集に向かうも囲まれた奇妙な家に閉じ込められ
脱出を試みもがく日々の先にあるものは・・。
20数ヶ国語に翻訳。
読売文学賞受賞作。

押し寄せる大量の砂
リアルで息苦しくなるような空間

読書の醍醐味と言いますか
異空間に確りと引き込まれました。

読書後、調べると20数ヶ国語に翻訳されたそうで
1962年6月8日出版とある。
優れた作品は時代も国を超えて素晴らしいものは心に刺さるものです。

さて、物語。
押し寄せる砂との生活を受け入れられず
逃げ出そうと日々計画しながらも
ここでの生活に飲み込まれる様は
日々のメタファーとして感じるものがあるなぁ。

息苦しくなるような
理不尽な状況にありながら
それを受け入れる事でしか、明日を生きれない日々

自由を夢見ながらも
手に取れるようになった自由を拒絶する心理
生き続ける本能とはそういうものなのかも知れないですね。