風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『死んだ山田と教室』 金子玲介

高校2年E組の“人気者”だった山田は、ある日交通事故で命を落としてしまう。
そして二学期初日、教室のスピーカーから突然──
「俺、二年E組が大好きなんで!」という声が響きわたる。
山田はスピーカーを介して“復活”し、クラスメイトたちと再び日々を過ごし始める。
 
第65回メフィスト賞受賞作、
王様のブランチBOOK大賞2024にも輝いた異色の青春小説。
 
ユニークな設定ながら、物語を支えるのは悲壮感ではなく、
男子校ならではのお馬鹿なノリと笑い。
しかし、その笑いの奥には、徐々に滲み出す孤独と喪失感がある。
 
もう戻らない「祭りの後」の寂しさ──
残された者が抱える痛みは、時に旅立った者よりも深い。
それでも「忘れない」と誓い、約束を守ろうとする姿は、
まるで『走れメロス』のように胸を熱くさせる。
 
山田という存在は、友情であり、痛みであり、
そして成長を促す青春そのものだ。