
物語の舞台は銀座の歩行者天国。
SNSで「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りし
謎の青年“王子”が銀座をさまよいながら「僕の人魚が逃げたんだ」と語るところから始まり・・。
5人の男女の人生に関わっていく連作短編集。
様々な事情を抱える5人
登場人物たちが抱える“言葉にならないモヤモヤ”。
それが王子との出会いによって少しずつほどけていく様子が、まるでマジック。
自分を見失いそうになる時
「繋がり」や「気づき」によって世界の見え方が変わっていく
そして「自分の心の声に耳を傾けることの大切さ」は行く道へ背中を押してくれます。
青山さんの得意の伏線回収して独立していたと思われた物語が
壮大な一つの物語として繋がっていくカタルシスは格別。
堂々巡りの心が、ふんわりと癒さる物語。