風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『人魚が逃げた』 青山美智子

物語の舞台は銀座の歩行者天国
SNSで「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りし
謎の青年“王子”が銀座をさまよいながら「僕の人魚が逃げたんだ」と語るところから始まり・・。
5人の男女の人生に関わっていく連作短編集。
 
様々な事情を抱える5人
登場人物たちが抱える“言葉にならないモヤモヤ”。
それが王子との出会いによって少しずつほどけていく様子が、まるでマジック。
 
自分を見失いそうになる時
「繋がり」や「気づき」によって世界の見え方が変わっていく
そして「自分の心の声に耳を傾けることの大切さ」は行く道へ背中を押してくれます。
 
青山さんの得意の伏線回収して独立していたと思われた物語が
壮大な一つの物語として繋がっていくカタルシスは格別。
 
堂々巡りの心が、ふんわりと癒さる物語。