風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『つぐみ』

西伊豆の小さな港町。
大学生のまりあは久しぶりに故郷へ帰省する。
体が弱く、幼い頃から特別扱いされて育ったつぐみ。
彼女との再会が、まりあにとって忘れられない“ひと夏”となる。
 
いつ命が尽きるかわからないという不安を背負いながら、
つぐみは時にわがままで、時に痛みを隠さず生きている。
その姿はまるで、「私はここにいる」と世界に証明しているかのよう。
 
こんな台詞がある。
「そいで、今はどこにでも行ける奴になれたんだよな。よかったじゃねえか。」
つぐみの中にあるのは、未来への不安と、それでも前を向こうとする揺らぎ。
「生きてるぞ」という抵抗と叫びが、静かな夏の風景の中で響く。
 
自由にどこかへ飛び立つこととは違う、
本質的な“生きること”とは
うれしい、悔しい、愛しい、痛いを、ちゃんと感じること。
 
その一瞬一瞬に、つぐみは確かに“生きようとする力”を感じた。