
1980年代、香港バブル経済の熱狂を背景に描かれる、巨額の金融詐欺事件。
トニー・レオンとアンディ・ラウが、実に20年ぶりにスクリーンで相まみえる。
金が金を生み、欲望が欲望を加速させていく世界。
主人公は時代の寵児として脚光を浴び、成功者として崇められるが、
その足元では不正という歪みが、静かに、しかし確実に広がっていく。
印象的なのは、彼を取り巻く人々。
称賛と嫉妬、信頼と疑念が複雑に絡み合い、
巨大なシステムの前では、個人の良心はあまりにもか細い。
「実体のない数字に、世界が踊らされる」という本質。
それは過去の物語ではなく、今の時代にもそのまま通じる怖さを孕んでいる。
そして最後に残るのは、拭いきれない虚無感。
栄光の裏側に漂う「香港ノワール」