風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『土を喰らう十二ヵ月』

長野の山あいの家で、ひとり静かに暮らす作家・ツトム。
四季の移ろいを肌で感じながら、畑で採れた恵みを調え、淡々と日々を重ねていく。
  
土を喰らい、やがて土に還る。
どれほど着飾ろうと、名誉も金も、時の前では消え去ってしまう。
 
この物語に、大きな事件は起こらない。
けれど「何も起こらない時間」の中にこそ、生きることの本質が、静かに丁寧に置かれている。
 
本当に大切なものとは何なのだろう。
生かしてくれる自然の恵みに感謝し、手を合わせて食すこと。
 
食べることは、生きること。
 
孤独や老い、そして死の気配さえも、ここでは自然の循環の一部として描かれる。
今という時間を慈しみ、丁寧に生きる姿勢が、言葉のいらない強さとなって胸に残る。
 
当たり前で、いつの間にか忘れてしまった営みの尊さを、
この映画は静かに、深く教えてくれる。