
小説を音楽へと昇華させるユニット、YOASOBI。
本書には「夜に駆ける」「あの夢をなぞって」「たぶん」
そして未発表曲の原作となった四つの短編小説が収録されている。
「夜に駆ける」の世界観は、文字になることでさらに広がり、
あの弾けるように夜へ走り出す一瞬のきらめきが、静かに胸に迫ってくる。
それぞれの物語には、異なる“夜の温度”がある。
生と死、希望と絶望――その境界線を、夜は曖昧に溶かしていく。
劇的な結末が描かれるわけではない。
けれど、ほんの一瞬、心が揺れ動くだけで、夜の景色は確かに変わる。
静かに、ささやかな光が広がっていく。
そんな余韻を残す一冊。