風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

「亡国のイージス」 福井晴敏

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分厚い上下巻に分かれた本に描かれた男のそれぞれの生き様と
テーマは自分がモヤモヤと日常生活に感じている欠けたものに
訴えかけるものがある。
世界では戦争や貧困と戦う人間が必ず存在するし
ニュースでは悪夢の様に繰り返される。
だが我々は実感を持ってそれを受け留める事が出来るだろうか?
その為に戦う人間に大して意見が言える程
崇高な生き方をして来たのだろうか?
水と空気、平和は無料だと信じて疑わない国家に暮らす
我々は幸せなのだろうか?きっと幸せである事は疑いのない事実だろう。
幸せとは幸福を感じる事と定義するなら
強く実感を持って積極的に生きる事なしには
薄っぺらな幸せと形容されるかもしれない・・・。
本編とは話がズレてしまったけど
そんな事を読み終えて感じていた。
浜田省吾の「J.BOY」の歌詞で
「頼りなく豊かなこの国に 何を賭け何を夢見よう・・」
そんな事に思いを馳せるのも悪くないんじゃないかなぁ。
 偶然この物語の艦艇の母港である呉に住んでますが
馴染んだ風景が少し出て来るのと途中の捻りにはハットしました。
日本推理作家協会賞など三賞を受賞のこの作品、偶にはいいかも。