風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

「ミカドの肖像 (上)」

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日本の暗黙のタブー「ミカド」ですが
ここに迫るエピソードはよく掘り起こしたものだと感心しました。
さすが猪瀬直樹
87年『ミカドの肖像』で
第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞作品ですね。
朝生でも朝のワイドショーでも仏頂面で喋る彼に
何故か好感を持ってましたが
よく考えると彼は真摯にレポートしてる姿や
自説を語る所がに好感を持ったのかもしれません。
この本に彼の人柄がよく出てると思います。
この中での面白かった話。
西武グループの創設者、堤康次郎が、元皇族の土地を買い、
プリンスホテルを建てていったか、ブランドを利用したのか
って良く調べたものだと感心しましたねぇ。
東京大空襲時に
「空襲の日の地下室で
電話を何台も並べて、ひとつの受話器に顎をあてて大声で
交渉しつつほかの受話器のダイヤルを片手で回して土地を買い漁っていた
」や「B29爆撃機で焼け出された難民を無理に入って来たら叩き出せ」
家は焼けてもいい、しかし土地は絶対譲ってはならんぞ」って話は
すごいものだ。
株もそうですが人が売ってる時に買いに行く根性と判断力が
その後の西部グループを作った原動力なんですね。
その後息子が事件を起こすのは記憶に新しいですが・・・。
良くも悪くも堤康次郎の亡霊でしょうね。

そんなエピソード満載のミカドを巡る旅さて下巻はどうなのか?
楽しみです。