心の闇を抱えて人は生きている
自分自身もまた闇を抱えながら
忘れていた古傷が酒を飲むと赤くなる様に
心の表面にと出て来る事がある。
この主人公、斉藤も、いや静や花井
連絡線の人達も同じだ・・。
それぞれが傷を乗り越え生きる事が生きるって事なんだ。
そんな事を淡々と生きる人々を見て思う
花井に似た人間を私は知っているが
彼もまた闇を抱えて生きてるんだろうか?
花井の空虚な心は新たな世界を拒絶して
最後の文章にある
『のろまな枯れた日溜まり・・』へと時間は留まる事を選んだ。
それでも海峡の光は平等に
金色に水面を照らすのだろう。
光の中へまた光は闇と共に・・。
自分も心の闇に引きずられならがも
明日の光に包まれる時間を求めて生きている。