風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『花ざかりの森・憂国』 三島由紀夫

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美学に貫かれたこの憂国
自分の命よりも大事なものを見つけ
その為に自らそこへ向う行為。
そこには昨今の逃げる為の自殺とは次元の違う
積極的な死。
危険な文章ですねぇ
そこに存在するものは至福の世界。
危ういけど
終末を覚悟して生きる生。
そこに強くひかれる心。
三島由紀夫自身も最後の解説でこう述べてます。
「ここに描かれた愛と死の光景、エロスと大儀との完全な融合と相乗作用は
 私がこの人生に期待する唯一の至福であると云ってよい・・」や
以前のインタビューにおいてで
「もし、忙しい人が、三島の小説の中から一遍だけ、三島のよいところ悪いところを
全て凝縮したエキスのような小説を読みたいと求めたら、『憂国』の一遍を読んでもらえればよい」
私もこの作品に
何か強く引かれ揺さぶられる心は何だろうか?
危険な甘い香りがします。