尊敬する数少ないジャーナリストの一人
猪瀬直樹さんが書いた太宰治。
本屋さんで見て衝動買いしました。
太宰治の出会いは中学の頃
「人間失格」を読んで衝撃を受けた頃を思い出します。
あの印象的な一節「思えば恥の多い人生を・・」
あぁ、俺もそうだなぁ・・って共感した気持ちは今でも覚えてますが
この猪瀬さんの書いた本を読むと・・。
その頃の記憶をより深く思い出しました。
時代背景、作家仲間、家族、移り変わるメンタルを
彼らしく事実に基づいた詳しく緻密でありながら
自分なりの仮説によって組み立てられた話は
太宰の作品のように引き込まれますねぇ
株が暴落し不景気の兆しが起こってる現代の風はどこに向ってるのか?
「蟹工船」が再び読めれる昨今や
「斜陽」で書かれた日本はどこか同じ様な風が吹いてるのかもしれないですね。
今こそ太宰の文学なのかも。
拠り所ない日々まさにそう。
私も最初に太宰に出会った頃と
本質ってあまり変わらないのかなぁ。
太宰は酒、女、パピナールに溺れ自殺の衝動に駆られ廻りの人を翻弄しますが
その甘美な誘惑に溺れないって自信はないですねぇ。
ひょっとしたら向こうの人になってるかもしれない危うさ・・。
私もパラレルワールドの自分を見てるのかも知れない。