風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『置き去りにされる人びと―すべての男は消耗品である。〈Vol.7〉』村上龍

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村上龍のコラムを読む度に思う事があるけど
彼は素晴らしいバランスと鋭い視点をいつも見失わない
時間や歳をとると大作家でも
巨匠と言われる映画監督でも大概鈍るものだけど
彼は違う、作品も時代を感じる鋭さや思いが込められてて
積極的に読みたい作家の一人ですね。
その鋭い一文
「誰にでもチャンスがあるのは嘘でもない
  ・・自分がどういう人生を望むか、という戦略がない人間には最初からチャンスはない」
精神論が語られがちなものですが大事なものは戦略と解く
まさにその通りで現代を生きるのに大事なスキルへ繋がる
選挙戦も戦略不足ですよね。
または言葉を変えて・・
「実効性よりもそれがいかに自己犠牲的だったかで評価されがち」
これも精神論で語られる世界からの脱却しないと・・。
「受け入れ難い想像のことを不安と呼んでいる
不安に支配されてしまうと私たちは制止的安定を失うが
不安を排除すると危機感を持てなくなる」
今の暮らしの中でどういった具体的な危機感を持って生きるのか?
その危機感はどうして起こるのか?
どうしたら解決出来るのか?
経済危機って言いますけど具体的かつ現実的な解決への
ロードマップがないと実感が出来ないですよね。
そんな相好依存社会についても
「相互依存が基盤となっている社会では
自立は不吉なものとして、特別なものとして語られる
社会や家族が内包している大切な物があって
自立とはその何かと対立するかのように語られてしまう」
多くの事がゴチャゴチャに語られる世の中で
自立ってキーワードは全ての解と私は思ってます
それが持てないときっと本文にもあったけど
「日本でも置き去りにされたという怒りを持つ人が次第に増えるだろう
わたしたちはの社会は格差を伴った多様性を差別のニュアンスを排して
カテゴライズする言葉と文脈を持ってないし持とうともしてない」
この最後のキーワード、タイトルにもなってる置き去りにされる人々
個々の人間が幸福に暮らすには
それぞれの自立と時代を読む感性なしには
上手く器用に生きる事はできないですよね。
まさに置き去りにされるのではないでしょうか?