風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『手』 山崎ナオコーラ

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編入った短編集
「手」の主人公はどこかさめた感じのするOLですが
何かしら達観した部分かな?に共感してしまい
だよなぁ~あるよぉなぁ~そんなことが・・とつぶやきましたねぇ
そんな所が本文の随所に書かれてあって
山崎ナオコーラさんの作品には知らない間に
どこか主人公と同じ部屋で同じ空気吸ってる感じがするんですよね。
様々な手を通して繋がる世界とそこにある意識は
どこか孤独で不器用で空虚な日常だったりする。
手によって触れる事のできるものって確かなものかな?
表層的な一部?
中から伝わる温かな体温?
本編と話がそれちゃったけど・・
そんなことを考えてしまいました。
そんな日常でも淡々と明日を生きる主人公の逞しさは
他の短編にも共通してて別れる場面でも笑顔だったりします。
ラストの「お父さん大好き」での
「朝というものは、絶対的に美しい。」は力強い明日を予感させるなぁ。
もっと読んでみたい作家。