風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『ここに消えない会話がある』 山崎ナオコーラ

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消せないではなく、消えない会話って日常でありますよね。
そんな職場の日常であったり
そこからこぼれる個性や思いが垣間見れて
どこか地続きって感覚が湧くんですよね。
この作品って数々の言葉の選択のセンスがまた
ピリッと効いてるだよなぁ・・
例えば・・
「わかりあえないことを認識しし合ったかのように「わかりました」と言い合って終了するのだ」
そんな会話がありウンザリもするけど
「他人と気にし合いたい」だったり
そんな中でも
「二人で黙るのは楽しい。喋ると「伝え合う」ような気分になってしまうけど
黙ると「共有」のような気持ちになる」
言葉を交わさない共有する心を築く事が
個性の理解と長い時間を過すことで築かれたりしますよね。
時には
「生きるのが面倒なのは不幸だからではなく、生半可な幸せと堪えられそうな
不幸が交互に訪れるからではないだろうか」
って不幸について考えるしねぇ
そんな痛みからは
「痛みは消えることはないが、薄らぐという性質を持ってる」
って台詞もありました。
そんな言葉が散らばった素敵な作品でしたね。
特に心に響いたのが
「先に続く仕事や、実りのある恋だけが、人間を成熟へと向かわせるわけではない。
ストーリーからこぼれる会話が人生を作るのだ。」
日常ではそれが実らないと思う事が多いけど
そんなとるに足らないかのような日常に光があたり輝きだす作品でした。