風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『ほかならぬ人へ』 白石一文

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「ほかならぬ人へ」で第142回直木賞を受賞作品。
主人公の内省的であり
多くのことを諦められない人生と
主人公だけでなく妻や登場人物それぞれに共感するんですよね。
冷静に考えると何やってるんだか?分からない行動にも・・
人はあえて不幸や苦難を選択してしまう
どうしょうもなさってのが
誰にでもあると思うんですよね
それを受け入れて明日への生きる
東海さんと結末にしても・・
短いお話ですが何か心に残る深いものがありました。
こんな台詞がありました。
「 この世界の問題の多くは、何が必要で何が不必要かではなく
単なる組み合わせや配分の誤りによって生まれているだけではないだろうか?」
その分配にの誤り・・
形ではない幸せの本質的存在。
そんなことは分かってても力を持たないのは
記号に頼ることで8割は人生を保障されるかのような心に
支配されるってありますよね
そんな呪文のような制度や仕組みの本質って何だろうね。
人生を決定する決定的なものとは
この2割の不確定な真実だと思うんですよね
無駄な時間はない
全てはそこに含まれてるから・・。
でも分かってても選択出来ないのが人生。悩むんだよなぁ・・

もう一編の
「かけがえのない人へ」
主人公が胸に思いを擁きながら
訪れる元彼の家・・
表札の無くなったアパートに・・
経験あるなぁ・・卒業して実家に帰っちゃったんだなぁ・・って
表札が無くなった時のショックってリアルだなぁー
心の奥にズンと・・落ちる気持ちって分かるなぁ・・
外から見るカーテンが変わってることにも・・

そんな二編の物語。
人生の選択について考えるよね。
人間万事塞翁が馬』とも言いますけど・・
合理的ではない判断をし希望的な望みに掛けて
真剣に生きてる滑稽さこそ
人の生きる意味ってだわな・・。