風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『月と蟹』 道尾秀介

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素晴らしいく美しい文章。
日常に芽生える心の底をつくもの
それが些細な悪意であっても
静かな水面に広がる波紋のように広がるんですよね。
子供の頃の純粋さが拍車を掛けて
永遠のように広がる波の振幅。
ヤドカリ様を祭る秘密基地的な場所と
友人や家族とのガラス細工のようで
繊細な心のやり取り
少年の気持って澄んだ水のように
深くて深度も分からないんですよね。
あーそうだったなぁって・・。
自分の過去を思い出し同時に
この物語に自分が存在してるんじゃないかと思う感覚。
封印した過去に心乱れるあの時の気持ちってあるよな・・。
そんな気持ちになるって「人間失格」の太宰だったり
金閣寺」の三島、「ノルウェーの森」の村上春樹で覚えた感覚。
道尾秀介さんって素晴らしい作家になりそうだなぁー
次回作が楽しみです。