風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス』 (著)フロイト (翻訳) 中山元

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平和を望むのに実現出来ない現実
そこにある真理とは何なのか?
アインシュタインと交わした書簡に見る考察。
フロイトの考察は腑に落ちる部分もある。
国家言う大きな括りではなく
個人の暮らしもそうですよね。
愛を持ち平和を望みながらも
憎しみ持って時に傷つけあう人間。
人の残虐な闇の部分と光は共存するのはなぜか?
国家の戦争行為も似てるかな
矛盾したものが一つの体や国家に存在する事実。
そこにある人の欲動の本質を考えると無理からぬことだとフロイトは言う
確かに第一次大戦の反省もなく
国際法が踏みにじられ
知識人であってもナショナリズムの嵐となり大戦への道へ
絶望的な過ちは繰り返されるものなんですよね。
メランコリーは環境や他者が悪いのではなく
自己の中に原因はあり循環するとありましたが
これも国家も同じだと思うんですよね。
そうしてもう一つの要因とされる
死というもの
現代の死にたいする偽善的姿勢を放棄し
死に直面するのでないかぎり
道徳の崩壊はまた起こるというフロイト
第二次大戦前に予言し的中させる。
この死を覆う偽善。
本当の死を理解するためにはフロイトはこういいます。
「愛するものの死によって
死にという冷徹な事実に直面せざるえをえなくなったことに
よって誕生したものである」
端的に言うと喪失したものの理解が不足ですね。
自分も死を感じることに希薄になってるだろう。
ではどうしたら
その利己主義による衝動は抑えられるのか?
「・・利己主義から利他主義へはエロス的(愛)な成分により
社会な欲動に変貌するという・・」
感情的に動く心の動きを理解することから
人はイノベーションを生み出すのだろう。
人はこの定めを乗り越えることが出来る叡智があると信じている。
「理性的に人間によるユートピアまたその裏返しのディストピア
野蛮な死共同体をもらすのかもしれないという危惧」を抱き
謙虚にシステム構築をしていくこと
人の本質を理解しないと
ありのままではフロイトの言うように
ディストピアとなるだろう。