風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『マリアビートル』 伊坂幸太郎

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東京駅から盛岡駅にいたるまでの東北新幹線「はやて」で
繰り広げられるスリリングでスピーディーな展開
見事なエンターテイメント小説となってます。
いつもながら伊坂幸太郎さんの巧みな構成とスピード感が
冒頭からラストまで疾風の如く走り抜け
その後の読書感もいい『マリアビートル』
この手詰まりで閉塞感に包まれそうな室内がまったくそんな事もなく
読みきれるのは登場人物の設定や巧みな伏線の張り方で
飽きることなく展開するからんだろうなぁー
機関車トーマス好きの檸檬って登場人物の言葉が気になって
そのトーマスのことが気になるぐらい入り込めるし
この伏線もスパイスとなっていいんですよね。
伏線と言えばこのタイトルとなった「マリアビートル」
てんとう虫は英語で「レディバグ」あるいは「レディビートル」と言われ
レディ=マリア様で
マリア様の七つの悲しみ(斑点)を背負って飛んでいく虫とのことだそうです。
ここに出てる登場人物
元殺し屋、狡猾な中学生、二人組「蜜柑」&「檸檬」、ツキのない「七尾」。
それぞれの心の傷や背負ってる人生と重なって
このタイトルがよく効いててホント巧みだよなぁ~
エンターテイメントの世界に浸りたい人に・・