風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『歌うクジラ (下)』 村上龍

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『歌うクジラ (上)』のレビュー
http://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/60930060.html


タナカアキラの旅の続きはついに
老人施設の住人ヨシマツに会うそこにあるもの・・
しかしそれが・・

人の理想の社会にあるものは
幸せに直結する
ばら色の世界なんかじゃない苦悩の病んだ世界
今の自分の日々の生活の本質としては
何ら変わりないものかも知れないね。
理想と現実の埋められないギャップ。
多くの不幸と定義されることは打ち壊され
多くの幸せを生み出す元となる
また荒廃して再生する。
社会システムも人も・・
そんな気がしました。

心のあり方をネガティブにする一つ
強迫観念について
こんな文章がありました。
「強迫観念というものは過去の想像に支配されてしまうことではないか・・」
想像ってのが次のキーワード
生み出すこと
それを活かすこと
苦しみも幸せも全てそこから始まるのではないか?
そして・・
文章を引用すると・・
「誰もがいろいろなことに気付き
だがそれを人生に活かすことができないという怒りを覚えながら消えていく・・」
しかし結果がどうあれ先がどうであれ
生きることに希望を持つこと
どんなに少なくても希望を想像することから
全てが始まるんじゃないかな。

村上龍さんの想像力と表現力はすばらしい
ラストの意外性といい
素敵なロマンに満ちた想像を楽し見たいそんな本でした。