風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『マボロシの鳥』 太田光

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爆笑問題の漫才好きなんですが
最近は司会が多いですよね。
TVで彼の不器用にも血管を浮かせて
真っ直ぐに訴える姿そのままのエッセンスが
この9つの短編集の凝縮されてました。
ちょっと不器用ですが伝えたいものを伝える熱意が溢れた
この短編集に才能を感じました。

そのエッセンス溢れる一文を紹介すると
「 本当に本当に信じられるのは、人なんだ。
だから、他の神様を信じる人達のしたことでも涙がこぼれるんだ。」
彼の鋭く皮肉溢れる言葉の中からも
人をそれでも信じる気持ちが詰まってますよね
やっぱり人は人を信じてるって気持ちは脆いけど
崇高な気持ちなんだよね。
彼は心からそれをきっと信じてる。

そして笑いについての一文
「ぼくは今思ったんだ。笑い声っていうのは
たった今、この瞬間、その人が幸福だって事の証拠なんじゃないかな。」
素晴らしい~同感です。
笑いは幸福の象徴的な感情
彼を直向にジャンルを超えてお笑いと言う物に挑む姿の裏には
そんなピュアな気持ちがあるからなんじゃないだろうか?
魔人チカブーやタンガタが求めたものがそこにある。
世界を跨ぎ時代を超えて
ここにある強い想い
荒削りながら想いが詰まってるから素敵なセンテンスが生まれるだよね。
次は長編に挑んで欲しい
熱くてやさしい視点
そんな素敵な物語でした。



【収録短編】
「荊の姫」
「タイムカプセル」
「人類諸君!」
「ネズミ」
「魔女」
マボロシの鳥」
「冬の人形」
「奇跡の雪」
「地球発・・」