風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『村上春樹 雑文集』 村上春樹

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1979-2010 未収録の作品、未発表の文章から著者自身がセレクトした69篇。

雑文といいながらも・・
中身は密度と流れのある素晴らしい文章の数々は
中でも何回も訳文を繰り返し読んだあのエルサレム賞スピーチ
「壁と卵」は改めて読んでも素晴らしい。
それぞれの魂に光を当て、継承を鳴らす、多くの役割のある物語もあれば

笑みが毀れたお話もありました。
取分け『ノルウェイの森』で冒頭に出てくる音楽”Norwegian Wood”の話は楽しめたなぁ。

時が経った今しか出てこない話でしたねぇ
ジョンのコメントやジョージハリソンのマネージャーのコメント
”Norwegian Wood”本当のタイトルじゃなかった
実は”Knowiing She Would”で
”Isn't it good,knowing she would”だったって
それはモラル的にまずいんで
語呂合わせでジョンが”Norwegian Wood”にしたってのはよかったなぁ・・
読んでて笑みが毀れましたし

作家についての雑文で印象に残ったのが
カポーティの「そして彼は枕に頭を押しつけ、両手で耳を覆い
こう思った。何でもないことだけを考えよう。風のことを考えよう、と」
原文は”think og nothings,think of wind."が好きだと書いてたけど
私もいいなぁ~と共感してしまう言葉でした。
短いセンテンスの深い心理を表現してて
風について考えることの重要な意味を見出す
人生にきっとあるひと時
真摯で真剣にそんな時間が必要なんじゃないかな?

ジャズの話では
ビリーホリデーの話でジャズとは何かを短い物語で語るのは
まるで一遍の作品に匹敵する深さがある
やっぱりセンスあるよなぁ・・

まだまだ紹介したい文章はありますけど
古い文章にはウィスキーのように
時間の経過が成熟には必要なのかもしれないですね
多くの時に埋もれた思いを
こうして掘り起こせば
今もひかり輝く繊細で美しい文章が
自分に光を与え力が漲る
何とも宝物のような素敵な雑文集でした。