それぞれの事情や想い視点をそれぞれの短編にし
交差させることによってリアルに浮き上がらせる物語。
この短編は
・ソラナックスルボックス (『yom yom』Vol.22)
・表現型の可塑性 (『yom yom』Vol.23)
・ソーダアイスの夏休み (書き下ろし)
・迷いクジラのいる夕景 (書き下ろし)
にて繋がる作品。
誰しもが人生に迷い絶望しながらも
無常にも時間が過ぎ去り
明日が来てしまうもの
疑問を持ちながらも受け入れざるを得ないこの日常の日々
ここらの心情を巧く描かれてて
素晴らしい作家ですねぇー
『ふがいない僕は空を見た』
http://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/61080800.html
から二作目とは思えない力量だよなぁー
明白な明日じゃない
淡々とした明日
多くの人はきっとそうなんじゃないだろうか?
そんな中にも、そこにある微かな希望や感情と
迷いクジラが象徴的で
主人公の問いかけに鯨博士が言います。
その後の生き残る確立は
「半分半分だと・・」
日常もそうだよなぁ~
不確定な未来。
自分もそうさ・・。
革新的な明日じゃなく
何となくな明日への何か・・。
その終わりなき日常の先にある
喜びを僅かに期待しながら
ほんの少し前向きになっていく
そこにリアルさを感じ
背中を少しだけ押してくれる物語
詰まらない日々だけど
きっと何かがあるんだ
もうちょと生きてみようかな?
死ぬほどではないよね。
僅かな光と等身大の素敵な清々しさがここにあります。