風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『ツナグ』 辻村深月

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一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」と
それぞれの依頼者の人生にまつわる心を揺り動かす物語。

それぞれの依頼者が短編となってて
・突然死したアイドルが心の支えだったOLでは・・
孤独と拠り所に・・・。
・年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子では
母親への伝えられなかった想いを・・
・親友との再会を望む女子高生では
嫉妬と多感な時期特有の葛藤を・・
一番泣けた、失踪した婚約者を待ち続ける会社員では
信じることの尊さを・・

それぞれに事情や人生があるように
それぞれ相手への愛について考えて読んでると
深く心に沁み入るんですよね。

自分だったらって思うと・・
一期一会って言葉があるけど
今生での関係ある人達と悔いなく
コミニュケーションとれてるのだろうか?
もし昨年亡くなった祖父にあったならば
その後の祖母や親族の想いを的確に伝えられるのだろうか?

それぞれの伝えられない思いは
切なく儚く胸へ詰まる思いが心に込み上げる
不覚にも何度も涙が毀れ落ちそうになってしまった。

歳なんだろうか?昔よりも涙腺が弱くなってしまったのかな?
感傷的になってしまう秋の夜に
伝えられない言葉が届くように祈る

胸一杯になる素敵な物語でした。

余談ですけど
この物語の中で満月の夜ほど長く合えるんですが
先日亡くなった桑名正博さんの10月30日って満月の日に葬儀だったし
私が落車で怪我したのは新月だったな・・。
自分の力の及ばないものや
月の満ち欠けにも影響を受けてるのってあるのかもしれないね・・。