風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『ラビット・ホール』

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4歳児を失くした母親と父親、親族や加害者
それぞれの心の葛藤を描く・・。

どうしょうもない絶望に突き落とされた時
それぞれの心の空白を完璧に埋めることは出来ない。
そこで向き合うことになるんですが・・

映画の中で主人公の母親が言います。
「・・大きくて重かったものが、時が経つにつれ小石にまで小さくなる。
しかし、ポケットに手を入れると、確実にそれはある。
そしてまた思い出してしまう。」

子供の面影を残した場所や同世代の子供が目に入るにつれて
こうしてポケットに入れた小石に触れてしまうことに・・。

親しい人を亡くした時
私もこの空白をどう埋めたらいいものか?と思いつつ
食事をし会話を交わし眠り仕事に向かう日常
喪失感を抱えつつ生きてしまう事に
何か意味を求めてしまう自分がそこにあったなぁ・・と思い出しながら考えてました。


作品中にもあったけど
神を拠り所とする者や相手を糾弾したり
同じ悲しみを持ったものと交友することで癒されたりする人
薬物で忘れたり過去の動画を見て懐かしむことで癒されたり
パラレルワールドを空想したり・・
さまざまな空白を埋め
人は明日を生きているんですよね。

私は主人公と同じく神を拠り所とするんじゃなく
この日記にも書いてるように
すべては自らが受け入れて
進むしかないと考えてる人間なんですが
主人公と同じくこの過程がリアルで痛々しく過酷でシリアスなんですよね。
演じたニコール・キッドマンは素晴らしかった。

ラストは地味なんですが
誰しもが経験する愛する人を失うことと再生の僅かな光。

恐れと共に超えるしかない
そこに自分が立たされた時
私はどうしたらいいのだろうか・・・?
ままならない運命に立ち尽くす自分の未来

逆に絶望に打ちひしがれるラビット・ホールパラレルワールド)を
逆に想像して胸が締め付けられる。

ある局面に立つと
人の心ってやわらかで繊細なんだよね・・。