風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『ジェノサイド』 高野和明

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研人のもとに死んだ父からのメールが届き
一方、傭兵・イエーガーコンゴ潜入の任務を引き受ける。
二人の人生が交錯し人類の未来に関係する事実が・・。

壮大なスケールにワクワクとしながらページを捲りました。
昔から思ってたんですが
地球上の最終進化ではない人類に
進化した人類が生まれ
そのニュータイプ人類に観察されてたらどうだろう?
テロやアフリカの現状、大国の意図・・
世界の矛盾やくだらない争いやジェノサイド・・
きっと縄張りを争うボス猿程度に見下して見るだろうね

多くの参考文献を読まれただけあって
医療や進化の話は説得力がありリアリティがあるし
イムリーにもニュースでアルジェリアの話あって腑に落ちる物語
いつになったら人は英知を発揮して幸せになるのだろうなぁ~。

本文にあったけど
ホモサピエンスの歴史はたかだか15万年。
生物が生まれてからの時間を24時間とした生物時計の中では
人類の歴史はたったの30秒。
生物の頂点に君臨しているかのようにふるまう我々人類だが
われわれは生物界の新参者に過ぎないのだ。」

人類は長い宇宙の単位で生き残れるのだろうか?
きっと鍵は人の英知だと思うんですが・・。

「・・私が知りたかったのは人間です。
ホモ・サピエンスの脳は、宇宙を解明するほどの知性を持っているのか?、それとも永遠に宇宙を理解することは出来ないのか。・・・」

人の革新や進化、英知とは何なのか?
我々は愚かにも滅びるのを待つだけの動物に過ぎないのか?
いや、きっと人類は新たな何かを掴み取り
そして心をも進化させ
幸福な地球を築くと信じたい。
この物語の先も・・。



【参考に・・】
第65回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門受賞作
第2回山田風太郎賞受賞作
2012年版このミステリーがすごい!1位
2011年週刊文春ミステリーベスト10・1位。
第33回吉川英治文学新人賞候補作
第145回直木三十五賞候補作。