風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新』 磯田道史

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加賀藩の「御算用者」を担っていた猪山家の膨大に膨れ上がった猪山家の借金返済
そして藩内の政争や幕末維新の動乱の記録と考察。

この本を原作として作成された
映画『武士の家計簿』を先に見たんですが
本の方がより詳細でリアルに伝わりました。

武士と言えば武勇や人情
天下取りってイメージですが
これがまたこの家計簿が意外にもドラスティックなんですよね。
あとがきにあった「歴史は過去と現代のキャッチボール」って意味深いなぁと納得。

石取である武士が貧乏であった理由や嫁さんとの家の関係
借財、政治情勢や懐具合でやりくりなんて
今と変わらないものなんですよね。

政変や経済システムの崩壊は現代でも世界中で繰り返されるし
そこにある家計簿から見える人の生き様は
現代に生きる我々にあることを教えてくれた

現状をなげくより現行をなげき
自分は今何をするべきなのか?
当たり前のことを行える当たり前の生き方
自分を磨き誠実に生きることが
明日に繋がるってのが
この猪山家の一族の中でもハッキリと分かれることになるんですけど
明暗を分けるポイントとなるんですよね。

歴史に学び人に学ぶ
なかなか歴史って面白く奥深い。