風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『宇宙を孕む風』 片山恭一

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教師を目指す真梨子とバイト先の塾、経営をしている曽根崎。
所属する子供達の悩みやライバル塾との軋轢による経営
自分たちの迷いはどこに行き着くのか?

報酬以外で仕事を続けることの意味だったり
人との関わりだったり
肉親の死だったり
生きてるとそれぞれが立ち止まることってありますよね。
そんな時、自分はどう考えて切り抜けたんだろうか?

重なり合う心の傷が
触れてしまうことで痛み
さらに臆病になる心って
後ろ向きになってしまうことあったよな。

不条理で矛盾だらけの巡り合わせ
それでも人は生きて行かなくっちゃならないんですよね。
この登場人物にしても話にしても
何かこれって結ぶことはないけど

風を感じるんですよね。
空高く遠い彼方に・・

こんな文章が書かれてました。
「ビルに囲まれた通りでも、たとえ世界の果にいても
ここがどこかわからなくても、立ち止まって顔を上げさえすれば
空が見える。その空のずっと高いところを吹いている風には宇宙が孕まれている。
いま自分が歩いているところは、狭くてごみごみしていて
いくら歩いてもどこへも行けない気がすることもあるけれど、
視線を上に向けさえすれば、そこにはいつも宇宙を孕んだ風が吹いている。
その風を、わたしたちは浴びって生きているんだって」

宇宙を孕む風は今この時だって
自分にも吹き降り注ぐ
それがきっと宇宙の意思なんだよね。

片山さんの文章って好きだなぁ~