風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『家日和』 奥田英朗

イメージ 1

タイトルのイメージ通りの
家庭のちょっとしたあたたかい”間”を描く傑作短編集。
第20回柴田錬三郎賞受賞作。

少し前に読んだ辻村さんの『鍵のない夢を見る』は
日々の生活にあるちょっとした”闇”を描いてましたが
『鍵のない夢を見る』 辻村 深月
http://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/62172788.html
日々の暮らしもその視点によって180度違うもんですよね。

簡単に収録作品を紹介するとー
サニーデイ
ネットオークションに嵌る主婦が旦那の大事なものを売ってうが・・。
・ここが青山
会社が倒産し主夫になってしまったサラリーマン
・家(うち)においでよ
妻と別居して自分の趣味の部屋を築き集う友人の話
・グレープフルーツ・モンスター
内職先の若い担当のエロな夢を見るようになった主婦。
・妻と玄米御飯
ロハスに嵌った妻と隣人を作家の旦那が揶揄したエッセイに書こうかと葛藤する。

共通するありそうな日常と行動の中で
何を楽しみ何を喜びとするのか?
ほのかに揺れる心の描写
この揺れる心のベースとなるものが
優しさって部分を感じると
自分の心も温かになるものですね。

人は人の善意に触れることが
癒しにもなるってことなんだよね。

日々、急いで走り過ぎると大事なシーンに気が付かないことって多いですよね。
そんなことを立ち止まり振り返る
そんなお話でした。