連載中の映画評から全三十編の映画評を選び1冊にまとめた本。
沢木 耕太郎さんと言えばノンフィクション作品ですが
やはり独自のテイストの文体や視点が映画レビューにも生きてますね。
「使われなかった人生」とは何だろう。
映画の登場人物達は時に恋に破れた少年や抑圧された女性だったり
哀愁漂う中年のサラリーマン、希望ある老人だったりと・・
それぞれの選択した反対の人生とは何だったんだろうか?
そんな”If”を観る側の希望や歓喜、悲観や共感を刺激し
自分の人生と重ね合わせて自分の使われなかった人生を振り返る。
もし海を渡って違う大陸へと旅たったならば・・
あの女性と結ばれたならば・・。
面白いですね。想像って・・。
映画のすばらしさは
旅するだけでは感じることの出来ない
世代や世界を超えた生き様を感じることだと思います。
人はどう喜び悲しみ、人生を歓喜するのか?
映画への想いを熱くする本。