風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『世界から猫が消えたなら』 川村 元気

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余命あとわずかとなった郵便配達員。
悪魔と取引をする
世界からあるものを消すことで1日延命出来るという日々だが・・。

有限な命ってものを想像する。
これはどんなVIPであっても
限りある命ってものは逃げることが出来ない事実なんですよね。

そんなことを日常で忘れ無邪気に過ごす日々を振り返ることになる
有限である命って設定。
使い古されたような設定ではあるものの
そこに深く確かにあるものを感じる。

本文にある台詞なんですがー
主人公が気付くんですよね。
「世界に何かが存在する理由はあっても、失われる理由なんて、まったくないだということを。」

当たり前にあることが実は全て有限であるって刹那

そのことに自分はどれだけ無頓着に生きているんだろうってことを
”ハタ”と気付く
それは同時に心のあり方をも定めることになる

本文にある台詞
「自分が思うだけで、人はいくらでも幸せにも、不幸せにもなれるということだ」


まさにそうだと思うんですよね。
人は心のあり方で幸せににも不幸にもなる
現象はニュートラルであるのに
それを受け取る心はバイアスを掛けるもの

生きとし生きるものの有限性に気付き
全てが愛おしくなるような温かさに気付く
素敵なファンタジーでした。