旅する作家、椎名誠さんの最果ての地、パタゴニアから聖地までー
風を探しに旅をする。重厚なフォトエッセイ。
風を撮るって
素敵な発想だなぁーと軽く手に取った本でしたが
中身は重厚にて骨太な旅
チベット、インド、チュコ、メコン、バタゴニア、シベリア、アマゾン、ガンジス、モンゴル、タクラマカン
などのなかなか濃厚な場所でドラスティックな体験は
モノクロの写真に凝縮して伝わりますね。
旅って自分の人生にどれぐらいの振れ幅で
心を揺さぶるかって大事だと思うのですが
まさにこれは大きな振幅を持ったもの
数百年前の原風景のような世界が未だに存在し
何の疑いもなく営まれる暮らし
そこに吹く風
オアシスを抜ける風
ガンジスで死者の上を抜ける風
砂漠の砂を舞い上げる風
本文後半に出てくる言葉で漢字の意味として
”風”の中にすでに「風景」「景色」「気象」の意味があったとある
なるほどなー
風っていいですよね。
目に見えるような実態を持たずして
確実にありながらも永遠に変わり続ける。
そんな風の広がりをイメージすると
自由になれたようなそんな気がします。