無慈悲で非道な借金取りガンドは債務者に重症を負わせ保険金で支払わせる手段で借金を取り立てていた。
天涯孤独と思われてた彼の前に母親を名乗る女性が出現しー。
2012年第69回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作品
強烈な暴力と恨み、無慈悲な行いはどこに人の善意はあるのか?
映像も物語も重く苦しい
部屋から見える教会の文字には
「ハレルヤは永遠なり」とあるけど
この対比が何とも絶望的な現実を感じる
生きる為の金なのか?
金、死って何?って台詞がありますが
人の生み出した金の象徴するもの
ホラーなんかより恐ろしい。
韓国は恨みの文化って言われますが
事態を受け入れることではなく
抵抗し生きることが人間だという考えだそうです。
愛する者の存在はその中で抗う男と
残された家族を母親を探し辿ることとなる彼は
悔い始める。
悩める人間に神の光が射す瞬間ですが
同時に罰も下るんですよね。
タイトルの『ピエタ』(piety/pity)とは
聖母マリアがイエスの亡骸を抱く彫刻や絵を指すそうですが
罪深い人間に光は射すのか?
ヴェネチアが好みそうな作品ですね。