風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『夢を売る男』 百田 尚樹

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編集者・牛河原勘治、丸栄社には、本の出版を夢見る人間が集まってくる。
牛河原が彼らに持ちかけるジョイント・プレス方式とは――。


出版不況で雑誌が廃刊になり
小説も売れない世の中で
ビジネスで夢を売る男とカモ達の自意識を斜めから見ると
このやり取りが滑稽でもあるんですよね。

章毎にいろんな人が出て来ますが
それぞれ自分の才能を信じてる人ばかり

大物になりたいフリーターや作家になってママ友たちを見返してやりたい主婦
自伝を出版したい大学教授の男・・・

それが詐欺ではなく商売になり
夢を叶える助けにもなると牛河原が言います。

「知っているか? 現代では、夢を見るには金がいるんだ」

金で買える夢って何だろうなぁー
作家デビューはメタファーとして
自意識を満足する行為って
誰もがあるんじゃないかな?

それを思うと
面白くもあるけど恥ずかしくもなるような人の欲望

客観的に考えると滑稽な欲なんですね
そんなものの為に時間や金を費やし
人は貴重な人生の時間を消耗する。

この切り取り方が鋭く面白い!
ちなみに御本人(百田 尚樹さん)の話が
先がない作家として出ててこれまた笑えました。

エンターテイメント小説
上手いなぁ~百田尚樹さん