風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『遮光』 中村 文則

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恋人の死を周囲に隠し、その幸福を語り続ける男。
行き場のないことに覆われた青春
野間文芸新人賞受賞作。第129回芥川賞候補作。

遣り切れないようなことに見舞われ
人が崩壊していく様。

それを狂気と片付けることは簡単かも知れないけど
誰もが悲しみに心が満ち
一歩も前に進めない事態にならないなんて、言い切れるだろうか?

自分がもしそうなったら・・
受け入れられない事実をどうやって受け入れ
それを抱え生きれるのだろうか?

そんなことを考えながら読むと
救いのない閉塞感と事態の悪化が遣り切れなくなり
胸が苦しく喉がカラカラ、額からは汗が滲むようです。

いろんな局面において
もしーあの時って事
災害でも事件でも健康でも
少し角度が変われば・・って
魔の時ってありますよね。
人の心なんて脆いものじゃないかな?

だから闇に落ち込むのではなく
だからこそ光が眩くとも遮光せず
輝きを渇望する心でありたい。