風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『紙の月』

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銀行で契約社員として働きつつ地味に暮らしていた梨花
買い物で不足し顧客から預かった金に手をつけてしまい・・・。
第36回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を含む3冠作品。

夫婦の記念のプレゼントでも
3万円の時計を買うのに躊躇し
夫には自分の意見も言えない妻が転落するに至る子供の頃のエピソード

善意でも手段では悪い事をし寄付へ疑問を持たない幼少期


そして夫婦間においても
夫がまたプレゼントで時計を買う心のすれ違い
心の奥深い部分を小さな出来事の構成で見せる緻密さ

あの走り出したラストに繋がるシーンは
見事と言うか、あまりにもで痛快すら感じました。

痛快さと言えばー
この主人公のように人様のお金に対して
信じてくれた人に対しての反省して心が痛むことなんかないんだろうな。

エゴイストな理論を展開させる主人公と対照的な御堅い御局様と話すシーンでは
お局様は言います。

「いく所に行く」


この言葉の取り方もそれぞれの解釈で興味深く言葉の駆け引きが生き様とダブル。

紙の月のタイトルに込められた儚さ
人生って性根は変わらないけど偽ってるのか?
いつの日か本音が出てくるものなのか?

面白いですねぇ~
人の生き様ってそれぞれで!
どちらもドラスティックだ。