風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『流』 東山 彰良

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大陸から台湾に渡った不死身の祖父が殺された。
台北で生きる17歳の青春は舞台を台湾、日本、大陸へ。
選考委員満場一致の第153回直木賞受賞作。

いや、これは面白い!

又吉さんの作品に隠れてたけど
これはかなりの逸材ですね。

早速調べたら・・
こんなコメントを発見。
「20年に一度の傑作。とんでもない商売敵を選んでしまった」(選考委員・北方謙三氏)
「私は何度も驚き、ずっと幸福だった。これほど幸せな読書は何年ぶりだ?」(選考委員・伊集院静氏)
プロ作家も最上級の絶賛とは異論なし。

台湾を舞台にした青春と一家の流浪の歴史

国家と翻弄される家族の暮らしが
リアリティを持って心に迫る。

なぜ日本で生まれ育った自分の心に迫るのか?
この読ませるストリー展開とリアリティある力量
引き込まれる物語の力は想像力を増幅し加速させるものなんですね。

本編にあった言葉で印象的だったのが・・。

「人には成長しなければならない部分と、どうしたって成長できない部分と、成長してはいけない部分があると思う。
その混合比率が人格であり、うちの家族に関して言えば、最後の部分をと尊ぶ血が流れてるようだ」

背負った人生に立ち向かい謎を解き明かす時
この一家の大切にする血の継承が開ける

新たな継承が次世代と自身の人生へ
まさに”流”!
ちょっと余韻に浸りたいぐらいな素敵な青春骨太物語。