風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『岸辺の旅』

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失踪した夫が不意に帰ってきた。
空白の3年を埋めるように彼と共に旅に出る。
第68回カンヌ国際映画祭・「ある視点」部門監督賞。

ネタバレなのですが
失踪した夫は亡き人。

3年の時間を埋める旅で出会った人々も
どこか現生に心残りのある人であったり
生きてても心を捉われた人との出会い。

成仏するにはその想いが昇華する必要があるんですね。

最初に合うこととなる未練残る老人は
仕事や妻への想いを残し死に気付かずに日々を悔やみながら生活する。
想いを遂げ成仏した翌日の家は枯れ果て荒廃する
中でも趣味で集めてた花の切り抜きが一夜にして色褪せる散る映像は
時間経過の残酷さ、恐ろしさで鳥肌物でした。


あの世とこの世は別世界って思ってましたが
この映画は世界は分かれてるものの
地続きであり今の生き方があの世での成仏に繋がるものですね。

夫である男の浮気や勝手な死に対して
それを全て背負う残された妻からすれば
とんでもない勝手な夫ですが


理由やいい分を超えた包容力って
男の身勝手だけども論理を超えた愛!?


赦し先にある世界での暮らしを想像する
愛の尊さ、意識してない絆や出会いを
そして何よりも想いを残すことなく生きることって
成仏する本人にも愛する人にも必要条件ですね。