風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『サラバ! 下』 西 加奈子

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サラバ! 上』 西 加奈子の続き
http://blogs.yahoo.co.jp/gogo_yellow_bicycle/64000976.html

上巻から大きな展開
子供から大学生、そして社会人へひとりの男人生はドラスティック。

まず、読んで感じたのが自然に心に湧く上に向かう力。
西 加奈子さん渾身の一作って思ったのが第一印象でした。

この大河のような長い話をブログで短く文章にするとチープになってしまうけども

家族離散し、恋人の裏切に遭い
親友の意外なその後と出会い
思ったのとかけ離れた人生
自我の完全崩壊により地に堕ちていく。

大なり小なり生きていると誰もが経験すると思う
思い描いたものと違う人生と現在。

どうやってこのジレンマから何を選択し立ち上がるのか?

破壊と創造はセットとなってやって来ることが
人生にはありますがこの再構築する時に大切な鍵となるのは
子供時代に築いた心の絆

忌み嫌いう家族や親族の繋がりが浮上する切っ掛けにもなる。
それが絡み再生する姿を描く力量は圧巻で感服。

しなやかに強く生きる姉の言葉。

「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」
心の拠り所となる信じるものの存在と

作品中に出て来る心を支える柱となる『すくいぬし』の存在は
人生を強く逞しく明日へ命を繋ぐ。

何を信じるのか
魂の存在を意識し一歩また一歩
ゆっくりでも確りとした歩みって強固ですよね。

勇気と希望を与える心動かされる作品でした。