風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』 鴻上 尚史

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陸軍第一回の特攻から計9回の出撃をし、9回生還した特攻兵、佐々木友次氏は2016年2月に亡くなった。
鴻上尚史さんが生前の佐々木氏本人へインタビュー。
なぜ、上官の命令に背き、命の尊厳を守りぬけたのかに迫る。

演劇の鴻上尚史さんの書かれてるので
演劇の話とかエッセイなのかなと勘違いして
手に取った本でしたが引き込まれました。

実在した人で9回も生還ってどういうことなのか?
読み進めると・・・。


特攻に対する認識も違い
見聞きしたものは
上官であった者が書いたもので美談になた向きがちですが
こうして生き残ったパイロットからの視点は確かに違う。

その命令する者と命令される側の認識や解釈の差って鴻上さんが書かれてましたが

戦後73年。実は本質的には日本社会は変わっていないのではないか。
官僚による改ざんやトカゲのしっぽ切りで切り取られる責任

読んだ後に昨今のニュースは戦時中に志願すると強制的に替えられた話との大戦と全く同じ。

中でも切ないのは艦船を沈めるには
特殊な層厚を持った弾じゃないと貫通出来ないものを
軽量化して弱い飛行機では卵を壁にぶつけるのと同じって話や
戦果のねつ造、目的の変遷、陸軍上官の解釈と
嘘だろって思いたくなる事実はやるせない。

特攻の意味する目的が変遷して
一人歩きする流れは今も変わらないものであり
指導者の理屈では真実は捻じ曲げられる。

本質を見抜くことを試みることをしないと繰り返すことになる。 

人の叡智があるならば、ここから学ばないとならない。