風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『輝ける闇』 開高健

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ベトナム戦争へ取材に赴いた主人公が大規模な銃撃戦に巻き込まれていく・・。

勇ましい作品が多い中
どこまでもエグイぐらいの描写はリアルで匂いや湿気まで漂って来そうな作品
最近のハイテク兵器は無人アメリカ本土から操作して爆撃すると聞きますけど
闇が輝く時・・
そこには人の皮膚は剥がれ内臓が飛び出し
膿は悪臭を放つんですよね・・・
そこにはイデオロギーも関係なく生と死だけが辺りを覆う

こんな文がありました。
「私は、小説は形容詞から朽ちる、生物の死体が眼やはらわたから
 もっとも美味な部分からまっさきに腐りはじめるように、と考えていた。」

昨日と今日、明日の緩慢な連続の中で
少しずつ我々の心も緩やかに分からないまま
朽ちて落ちる果実のように
成り果ててしまってるのではないだろうか?
紛争の烈火の中で
今も燃盛る炎に焼かれ燻る煙は強烈な匂いを発してるんだろう。
現実を感じ未来を想像する心は朽ちらせてはならないなぁ。