風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

読書

『影法師』 百田尚樹

将来を期待された彦四郎と下級武士から家老にまで上り詰めた勘一なぜ彦四郎は不遇の死を遂げたのか・・・。謎を探ると・・・二十年前の事件の真実とは・・。 侍の価値観、生き方に触れると背筋が伸びるような、そんな気持ちになる。 如何に自分が大義なく利…

『東京都同情塔』 九段理江

犯罪者に寛容論が浸透した日本で建築家:牧名沙羅は寛容で快適な刑務所「シンパシータワートーキョー」を建設されることに・・。第170回芥川賞受賞作 建築は思想やその建物の意味がカタチに込められそこは果たして人にとってユートピアなのか?ディストピア…

『画像生成AIと著作権について知っておきたい50の質問』 ニャタBE / 花井裕也 / 谷直樹

OpenAIのChatGPTで画像を自在にプロンプトで生成できるようになった昨今これって法的にはどうなんでしょうか?基礎知識を3人のプロが対話形式で回答し説明する。 単語帳のように項目が整理され読みやすい対談式 なるほどな海外と日本でも違いますが ネットの…

『777 トリプルセブン』 伊坂幸太郎

『マリアビートル』から数年後・・。アンラッキーな殺し屋・天道虫が受けた依頼はホテルの一室にプレゼントを届けるという簡単な仕事のはずだったが・・。 お馴染みの登場人物前回のお話『マリアビートル』 伊坂幸太郎https://gotoblueseabicycle.hatenablog…

『話す力 心をつかむ44のヒント』 阿川佐和子

ベストセラーとなった「聞く力」のお次は『話す力』。コミュニケーションに力をアップさせる手法とエピソードを加えて読みやすく理解し易く書かれた話す力のコツ44とは・・。 なるほどな、阿川佐和子さんのイメージそのままで自然体で話したくなり、聞きたく…

『ユーチューバー』 村上龍

作家が過去を振り返りながら、女性遍歴や音楽、映画についてYouTubeで語る。 村上龍さん自身かのような話もあったり虚像と実像の構造がまるでYouTubeの世界。 どこか異世界のような独特の流れとリアルな空気感は村上龍さんらしい。 この世界と繋がっているの…

『鴻上尚史の おっとどっこい ほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』 鴻上尚史

人生相談に名回答するの鴻上尚史さん処方箋。AERA dot.、PR誌「一冊の本」連載の書籍化第5弾。 人生を揺るがすような深刻で悩ましい相談に見事に応える事例は参考になりますね。 普段の思考にも役立つヒント印象的だったのは「考えても仕方のない問題か?考…

『失われた猫』 森博嗣 / 佐久間真人 (イラスト)

猫たちが存在してるどこかノスタルジックな街何を待つのか?失われた猫の存在とは?イラストと詩的なストーリーの作品。 うちにも猫が居ますがどこか人の見えないものを見えたり感じるのかも?そんな素振りを見せたりミステリアス。 哲学的な空気も漂わせな…

『木曜日にはココアを』 青山美智子

喫茶店「マーブル・カフェ」の細やかな行いによってバタフライエフェクトのように影響を及ぼし世界に広がる。ココアのように心温める12編の連作短編。 人は誰しも意図しなくとも運命に導かれるように繋がり影響を及ぼし合う何の力なんだろうな? 念と言いま…

『きょうのできごと、十年後』 柴崎友香

京都で引っ越しパーティーに参加した男女たちがそれぞれの時間を生き30代になって再会する。鴨川沿いにオープンさせたバルで集まった面々のさまざまな出来事は・・。 10年前には思いもしなかった未来。ありますね。しかし何だか分かるなそれぞれの気持ち。 …

『地図と拳』 小川哲

日露戦争前夜から第2次世界大戦までの満州の地の半世紀日本からの密偵やロシアの神父クラスニコフ、不毛の土地へ移住した孫悟空。思惑が交錯し翻弄される人生。第168回直木賞受賞第13回山田風太郎賞受賞 満洲という地をそれぞれの思惑で築こうとする勢力歴史…

『大家さんと僕』 矢部太郎

主人公の矢部さん「僕」と87歳の「大家さん」の交流を描いたジェネレーションギャップにほっこりの8コマストーリー。第22回 手塚治虫文化賞 短編賞受賞『ダ・ヴィンチ』ブックオブザイヤー 2018受賞オリコン年間BOOKランキング タレント&コミックエッセイ201…

『街とその不確かな壁』 村上春樹

高校生の男女が親睦を深める中で本当の自分は”高い壁に囲まれた街”に住むと言葉を残し姿を消す歳を重ねても忘れる事のないその街とは・・。壁の意味するものとは・・。 もうひとつの世界そこでの思い描く理想の世界そこにも訪れる不確定な未来 どう向き合う…

『恋とそれとあと全部』 住野よる

高校生で片思いのめえめえとサブレはお互いの嫌なところを言い合いながらも、険悪にならず微妙な間柄。夏休みにサブレと共にじいちゃんの家を目指し・・・。 サブレは死に対して恐怖を抱えながらも、無念を恐れるという考えを巡らせる死を考えることで、どう…

『夜明けを待つ』 佐々涼子

ノンフィクション作家の佐々涼子さんによるエッセイ&ルポルタージュ作品集。生と死を見つめ続けてきた10年間のエッセイとルポルタージュから病気や宗教的な旅などが描かれている。 実際起こっている考えられないような現実の出来事の数々。 命というものの…

『「お金の増やし方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』 藤吉豊 / 小川真理子

100冊のベストセラーの大事なことだけをまとめた本。 新NISAで盛り上がってる?マーケットおさらいの意味でも読んでみましたがなるほどなって感じですね。 タイパが好まれる昨今。こういうのウケるのかな。 72の法則が面白かったので紹介すると二倍になるの…

『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』 ジル・チャン

台湾出身で「超内向型」なジル・チャン。彼女がアメリカで成功をした戦略とは?静かな人に贈る戦略書。Foreword INDIES「ブック・オブ・ザ・イヤー」特別賞 ビジネスの世界で成功する内向的な人間って居ることを知るだけでも励みになりましたがその成功への…

『恐い食べ物』 松原タニシ

事故物件に住む松原タニシさんが語る怖い食べ物のお話・・。 事故物件から生まれたサラダや死を招くオムライスピザと怪音に焼肉店の幽霊。食べ物で恐怖が生まれるとか考えもしてなかったお話 何気ない食べ物も背景には恐怖の世界から作られてるものかも!? …

『タイパの経済学』 廣瀬涼

「タイパ」とは時間対効果のことサブスクなど文化の変化する中でタイパを重視する人達の研究。 「コスパ」コスト&パフォーマンスは一般的に定着した価値観だと思うのですが「タイパ」はちょっと違和感アリ。時短で映画とか観る心理が理解出来なかったのです…

『お探し物は図書室まで』 青山美智子

人生につまずく登場人物たちがふとした切っ掛けで訪れた小さな図書館司書さんから本のセレクトと可愛い付録によって人生が生き易くなる・・。2021年:本屋大賞で2位 考えてた人生とは掛け離れた日々ちょっとした本や些細な言葉で人生が変わる瞬間ってあるも…

『赤と青とエスキース』 青山美智子

エスキースと名付けられた絵は世界と時間を経て赤と青、エスキースが奇跡のように結び付く。2022年本屋大賞 第2位 素晴らしいなぁ~!次々に結び付く物語エスキースを通じて様々な人々の姿が描かれてて時に熱情熱的であり、冷静であり、癒しでもある。絵の完…

『病気の9割は歩くだけで治る!』 長尾和宏

病気の9割は歩くだけで治ることを医者の立場から科学的に語られる。歩くことで健康へ向かうには・・。 医療や健康法って概念が固定されてないでしょうか?歩くだけ?おや?って思う事を読んで考える。読んで見ると、なるほど腑に落ちる事も多い。 確かに歩行…

『その世とこの世』 谷川俊太郎 / ブレイディみかこ / 奥村門土

東京に暮らす詩人の谷川俊太郎さんと ブライトン在住のライターのブレイディみかこさん日々の出来事や少し引っ掛かった想いを文通した往復書簡集。 対談と言うカタチではなく、手紙のやり取りは 考えたことを文字にする工程を経て伝えられる 手紙には経た時…

『あなたに大切な香りの記憶はありますか?』 阿川佐和子、石田衣良、角田光代、熊谷達也、小池真理子、重松清、朱川湊人、高樹のぶ子

人気作家8人による「記憶の中の忘れがたい香り」をテーマに書かれた短編集。 記憶と香りって関連性があるもので様々な設定やお話ですが物語に香りを感じるお話は読んでてノスタルジーを感じます。 読者も似たような経験から出て来る香りを想像して物語を香り…

『歌われなかった海賊へ』 逢坂冬馬

ナチス体制下若者たちが「エーデルヴァイス海賊団」というナチスの青少年組織ヒトラーユーゲントに対抗する若者の集団を結成し自由を求めて立ち上がる・・。 エーデルヴァイス海賊団は実在する集団だそうですが当時のドイツで真の自由を求めるって困難なこと…

『モタさんの“言葉” 』 斎藤茂太 / 松本春野

精神科医である斎藤茂太さんの癒される言葉とやさしいイラストによる心に寄りそう優しい大人の絵本。 ふと読みたい言葉や言って貰いたい言葉ってあるものでページを開くと優しい絵にぽつぽつと書かれた言葉が心にしっとり沁みる ああ、いいなってまたページ…

『ミライの源氏物語』 山崎ナオコーラ

源氏物語を現代の感覚で読むとどうなのか?当時の倫理観や 社会規範の違いを考えながら、読み方を考えたエッセイ一部、現代的なナオコーラさん訳も読みどころ。 社会規範は移り変わる。現代に置き替え視点を変えると新たに見えてくることってありますね。 時…

2023 読書アワード

先日は映画アワードでしたが今回は2023年に読んだ本を振り返る。どの本も素敵だったな。 【最優秀】から心が振り動かされたってことでは『夜に星を放つ』 窪美澄神の救いような、心の繋がり繊細で切れそうな細い糸のような星の光希望を持つのか?拠り所にす…

『しろがねの葉』 千早茜

少女ウメは命辛々で石見銀山に辿り着く。銀山の山師喜兵衛に拾われ石見で暮らすことに彼女の人生は銀山の人々と共に翻弄される・・。第168回直木賞受賞作 厳しい試練の中で辛い別れをを経ても人は生きるのは何故なのか? 亡くなった人々を想い絶望の中からも…

『謝罪論 謝るとは何をすることなのか』 古田徹也

謝るとは何なのか?謝罪と言う行為の複雑で難しさを解き明かす。 人生のいろんんな場面で謝ることが発生してしまうどう謝るかで人生は大きく変わって行くのではないだろうか? ニュースで会見する人々教師や親に怒られる子供自分の失態で迷惑を掛けることも…