風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『九月が永遠に続けば』 沼田 まほかる

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夜中にゴミを捨てに行ったまま失踪した息子の行方は?
ミステリー大賞受賞作

ミステリー大賞ってことでかなり裏読みしてたんですが・・
割合捻りなく・・。
表現や設定のグロさってのが売りなのかな?これは・・。
いわゆるイヤミス(嫌な感じのするミステリー)。

そのグロ設定の中で
現実なのに人は目を逸らすことって多いですよね
例えるならば・・
豚肉を食べるけど
知ってるのに豚が加工される所なんて見たくない。
そんな感じかな・・

こんな文章があります。
柳田國男の「遠野物語」一節で
古い大きな栃の木を好きになる話があり
その木と共に川に沈んでしまう女の話。

愛ってものが悲劇を生む過程に対して
誰もが何故にこんなに無力なのだろう。
光と影みたいなものなのかも知れないですね。

しかし、グロなのはいいけど
それを凌駕する結びがないと・・・後味も良くないなぁ~
知らなかったとはいえど
何故それを読むのか?

誰もが接したことのある嫌な感情や
ブラックな想像によって塗り潰したくなるような気持ち
人生にはありますよね。

そんなブラックサイド世界を垣間見ることで
何らかの人間の黒い部分が共鳴するからなのか・・?

やっぱ考えれば考える程
嫌な気分になるイヤミスだなぁー