この映画は国際映画祭、映画賞で25以上もの賞に輝いた作品で
製作・監督・脚本・編集・主演、5役をこなしたのがヤン・イクチュン
凄い暴力と悲しみの連鎖にはインパクトがあり過ぎてR15指定ってのも分かります。
DV(ドメスティックバイオレンス)はこの平和な日本でも報道されてますが
連鎖のメカニズムと運命と呼ぶには重過ぎる定めと言える呪縛。
なぜ自分の嫌い憎しむ暴力を自分が
力を持ったとたんに弱いものへ行使してしまうのもなのか?
その暴力性と甥を愛する善意の狭間の葛藤。
暴力の連鎖に恐怖し心を強く貫かれたものを感じました。
自分は暴力なんて振るう浅はかな人や国家に対して
否定し忌み嫌う人間を信条としてる日常を送っているのに
何故か自分の信念が揺らぎ
もう、やってしまえって思う
僅かながら肯定する部分。
それをなかったもののように
黙殺して日々を平和で穏和な心を装う心。
果して自分は完全に否定出来るのかな?
闇に浮かぶ魔の衝動と心を・・
善意に満ちた人があるべきな姿だけじゃないよねー
このべき論を諸手をあげて支持できるのか?
そこに人間の持つ普遍的な矛盾と葛藤を描くから
世界で25もの賞をとったのだろう。
あの主人公サンフンと女子高生ヨニが川原で涙するシーン
自分の持つ矛盾と葛藤に心を揺さ振られ
人の持つサガに自分も涙しました。
平和で幸せに満ちた世界のために祈りたい。
それがどう思われようと願わずに居れない・・。