風の音だけが週末のConversation

一粒の砂に世界を求め 野の花に天国を見出す 掌の中に無限を捉え ひと時のうちに永遠を築く この詩のように生きたいな

『女のいない男たち』 村上 春樹 ネガティブな話でありながらも希望が湧くような

イメージ 1

女のいない男が損なわれたものを埋めるように
「ドライブマイカー」「イエスタディ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」「女のいない男たち」
響き合う6編の物語。村上春樹、9年ぶりの短編小説


短編でありながら考える時間
心に深く何かを残す時間は
どの作品も密度が濃い

村上春樹の作品を読む度に
多くの事が心を彷徨い
落ち着く所に落着き
事あることに顔を出すのが
不思議だけど心地よい。

こんなに影響ある作家は
自分の巡り合った中では数少ないし
幸福を感じながら捲るページは
幸せ以外の何物でもないなぁ。

前置きが長くなったけど
この短編も自分の中に反芻するシーン
時にその続きが顔を出し
主人公が耳元で囁く

俺ならば
どうしたらろうか?

時に失恋し生き別れ片思いし
その突然の空間と闇に落ち込む
男はナイーブと言うか女々しいんですよね。

過去にあった経験も同時に浮かび
浮かび上がる感情とのシンクロ

何とも不思議で有意義な時間なんだろうか?
ネガティブな話でありながらも
勇気が湧くような力
それは生きる根源がそこにあるからだろう。

やっぱすごい村上春樹