惨殺現場に残された「怒」の血文字。
逃亡を続ける犯人はどこにいるのか?
房総の漁港で暮らす親子の前に現れた男。
ゲイの優馬は新宿のサウナで出会った男。
母と沖縄の離島へ引っ越した女子高生と知り合った男。
それぞれに前歴不詳の3人の男の真相と顛末とは・・・。
怒りとは何か?
何に対して怒るのか?
日々、いろんな感情に支配され突き動かされてますが
複雑な事情だったり
過去を知らない人との深い関係を築くことは
素晴らしいこともあるけど
傷つくことも少ないんですよね。
この物語のもう一つのテーマが"信じる"ってことなのですが
この三つの話しが
犯人への疑いと言う鍵で繋がる。
あるものは絶望し強烈な怒りに変化する
信じることが出来なく傷つけ後悔したり
取り返しのつかない行いをすることもある
湧き上がる抑えられない感情に彷徨う人々
人間の力ではどうすることも出来ない
神の領域なのかな・・。
感情と言う得体の知れない魔物に成す術もなく彷徨う人
そんな中で
一筋の闇を照らす光に出会う。
そんなにも信じることは尊い
吉田修一さんは好きな作家さんですが
これも期待を裏切らない作品でした。
映画化されそうな予感。